茶と美(講談社学術文庫) [本(日本文化]

柳宗悦(宗教哲学、民芸運動)
講談社学術文庫(2000)
吾々の心の現れである器の美は、
支那におけるような強さの美でもなく、
また朝鮮に見られるような淋しさの美でもない。
色は楽しく、形は優しく、模様は柔らかく
線は静かでありすべてが温和であった。
陶磁器の高台に作者の心が匿れている
茶碗は高麗
天下随一の茶碗大名物、喜左衛門井戸
平凡な実用こそ、作物に健全な美を保証する。
喜左衛門井戸は無事であり造作したところがないから美しい
信じる前に知ろうとする者に、
神についての全き知識を得ることができぬ。
置かれた器物より、働いている器物の方が美しい。
レムブラントは名画を集めるので金を使い果たし、惨めな死に方をした
集める者は、物の中に「他の自分」を見出している
集める前に、それによって他の人々とどれだけ悦びを共にし得るか考えていい
茶碗:唐物、高麗物、和物
和物の楽
あまりにも器物中心主義という批判
日本の封建制度の典型。
真宗本願寺の東西大谷家の法主制度、家元、表裏両千家
天心の不完全の美、久松の完全への否定
油屋。形確かで鉄釉の風情が殊の外いい
さび助。茶趣味もここまでくるとはなもちならない。
強いて形を畸にし肩を曲げ腰をゆがめ、
わざと傷のような篦目を入れる。いたく俗っぽい品物
☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度3/5
茶の湯の立場から柳のエッセイを選んだもの。
・今日の一言(本文より)
自然なものこそは健康である。健康に勝る美はあり得ない。
자연스러운 것이야 말로 건강하다. 건강을 이길 수 있는 미(美)는 있을 수 없다.
自然的东西才健康,没有胜过健康的美丽。
It is natural things that are healthy. There is no beauty better than health.
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